呼吸する都市
都市はしばしば自然と対極的な存在として語られる。都市は自然を破壊し他の生命体を脅かすものとされる。しかし、都市に生活する人々にとって、都市は生活するためのエコシステムでありそれ自身が人間を含めた一つの生態系として機能しているとも考えられる。東京を始めとする多くの都市は、一人の人間によって設計されたものではなく、人々の営みによって歴史の中で自然に出来上がったものである。その成長過程は、一つの生命体として捉えることも可能である。
この作品は、東京の中心地である六本木に設置され、生命としての都市の呼吸を感じるための装置だ。8K解像度の3Dプロジェクションを用いて緻密に映し出される映像は、あらかじめレンダリングしたものではなく、鑑賞者の音や動きといった気配に呼応してリアルタイムに生成され常に変化していく。圧倒的な映像体験を通して、都市という巨大な生命体の息吹を感じて欲しい。
企画制作: 田所淳 + 佐藤仁
技術協力: アストロデザイン株式会社
Artist Profile
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Atsushi Tadokor
田所淳
クリエイティブコーダー。ライブコーディングを用いた音楽と映像のパフォーマンスを行う。近年は、インスタレーション作品をアルスエレクトロニカ・フェスティバルやArt Photo Tokyo「ARIGATO SAKURAGAOKA」などで展示を行った。著書に『Processing クリエイティブ・コーディング入門 – コードが生み出す創造表現』『演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践 ―Show Us Your Screens』など
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Jin Sato
佐藤 仁
広島県出身
2007年アストロデザイン株式会社に入社。ハードウェアエンジニアとして放送用機器をはじめ3D映像、8K映像機器の開発を手がける。
現在では、8Kプロジェクタ、AIによる映像の高画質化などのプロジェクトに取り組む。
慶應義塾大学SFC研究所次世代映像コンソーシアムと共に、Movie for Art,Design and Data(MADD.)を主催