Rez Infinite -Synesthesia Suit
Tetsuya Mizuguchi + Rhizomatiks Architecture + Keio Media Design
本作「Synesthesia Suit (シナスタジア・スーツ)」は、VRヴィデオゲーム作品「Rez Infinite」の共感覚的なコンセプトを体現するために製作された。スーツ内に装着されている26の振動素子によって、音楽が振動と共に全身を巡り、その振動部分のLEDが点灯する。振動にはテクスチャ(質感)が伴い、弦楽器で弾かれている感覚や、太鼓で叩かれている感覚などが再現され、その質感に合わせて、LEDの色や光のパターンがシンクロする。音楽を耳からだけではなく、触覚や視覚として体感できる共感覚スーツである。
なお、本展示においては、「Synesthesia Suit」の共感覚性(光・振動)を空間全体に拡張すべく空間設計されている。VRの身体感覚を空間に反映させる実験でもある。
なお、本展示においては、「Synesthesia Suit」の共感覚性(光・振動)を空間全体に拡張すべく空間設計されている。VRの身体感覚を空間に反映させる実験でもある。
Artist Profile
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Tetsuya Mizuguchi
水口 哲也
メディアデザイナー / レゾネア代表 / 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(Keio Media Design) 特任教授
ヴィデオゲーム、音楽、映像、アプリケーション設計など、共感覚的アプローチで創作活動を続けている。2001年、「Rez」を発表。その後、音楽の演奏感をもったパズルゲーム「ルミネス」(2004)、キネクトを用い指揮者のように操作しながら共感覚体験を可能にした「Child of Eden」(2010)、RezのVR拡張版である「Rez Infinite」(2016)など、独創性の高いゲーム作品を制作し続けている。また音楽と映像のハイブリッドユニット「Genki Rockets」のメンバーとして、作詞プロデュースや映像演出、地球温暖化抑制のための地球型コンサート『Live Earth』(2007)においてはアル・ゴア元副大統領のホログラム映像によるオープニングアクトの演出などを手掛ける。2002年文化庁メディア芸術祭特別賞、Ars Electoronicaインタラクティヴアート部門Honorary Mentionなどを受賞(以上Rez)。2006年には全米プロデューサー協会(PGA)とHollywood Reporter誌が合同で選ぶ「Digital 50」(世界のデジタル・イノヴェイター50人)の1人に選出される。2007年文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査主査、2009年日本賞審査員、2010年芸術選奨選考審査員などを歴任。 -
Rhizomatiks Architecture
コンテンツを考え実行できるRhizomatiksならではの建築チームです。施設開発からまちづくり、都市開発において、クライアントや自治体、行政などのサポートを行います。
手がけるのは、コミュニティ形成を考えるまちづくりや、都市の概況から様態や位置付けを考える都市開発、施設の様相とブランドを考える施設開発など、あらゆるスケールのこと。自治体や行政などのクライアントと一緒に研究・リサーチすることからスタートし、最終的なアウトプットまでを考え、実行することを最大の目標とするチームです。単なる空間表現に固執することなく、ときにアートイベントなども選択肢に入れて考え、場所とその中で起こるイベント、コンテンツ、空間、都市を同時に考えます。 -
Keio Media Design
イノベ ーションを自ら生み出し社会に向けて価値を創出する「メディア・イノベータ」の育成をミッションとしている。破壊的イノベーションを起こすために独創的なアイデアを発想しプロトタイプを何度もつくる「MAKE」、プロトタイプを社会に届ける「DEPLOY」、成果の社会的な「IMPACT」の探求。この一連のプロセスを通して、様々な視点から物事を捉えて新しいアイデアや表現をゼロから生み出し、ユニークな社会的価値を創り出す創造力を育む。